昨年12月の実証実験に続き、運搬ドローン「DJI FlyCart30」を使って、浅間山の山小屋、「火山館」への物資輸送の実証実験を行いました。
前回実証の様子はこちらをご覧ください。

「ドローンを活用した山岳地帯における物資輸送」実証実験を行いました

KDDIスマートドローン様のご協力・長野県の支援を受けて、運搬ドローン「DJI FlyCart30」を使って、浅間山の山小屋、「火山館」への物資輸送の実証実験を行いました。実証の様子はKDDIスマートドローン様のリリース […]

本実証実験でも、運搬ドローン「DJI FlyCart30」を使用して行いました。2024年12月の重量物輸送での実証結果を踏まえ、飛行ルートを見直し、より良い通信環境下で安全にドローンを飛行させるよう実証を行いました。また今回の実験では、危険物とされる灯油の輸送を行いました。この飛行のためには、
・「目視外飛行(立入管理措置あり)」
・「危険物輸送」
二つの申請に対して許可を取得し、また関係する天狗温泉浅間山荘様(離陸側グラウンド)、火山館様(小諸市管理、荷下ろし側)、小諸市様の協力を得て実現いたしました。

今回の飛行ルート

実証地の火山館では冬場の暖房を薪ストーブに頼っており、氷点下の室内を温めるのには時間を要しますが、この実証により電力が不要で安価な灯油を使用したストーブの使用が可能となり、簡単に暖をとることができるというニーズがありました。積雪のある厳冬期においても、迅速かつ効率的に運用できるドローンによる輸送が行えれば、コスト面からもヘリ輸送や歩荷以外の輸送手段としてさらに一歩、実用化に向けた道が開け、ほかの山小屋や、山間の集落などの問題解決の手段となり得ます。

火山館には浅間山噴火の避難施設の機能もあり、厳寒の時期に命を守る燃料の確保は重要であり、本実証は大変意義のあるものと考えます。

登山道入り口には本日ドローンによる物資搬送のための飛行があるということを立て看板にて告知、注意喚起をしました。

写真は浅間連山の主峰「前掛山」。現在は噴火警戒レベル2で登ることができません。

活火山の浅間山、硫黄を含んだ地面が露出しています
火山館より、黒斑山方面の眺め

離陸地点(浅間山荘グラウンド)を飛び立って3分もすると、上空に荷物を吊り下げた機体が確認できました。
火山館側の補助者からは離陸後3番目のウエイポイントから、麓側の補助者からはほぼ全域で飛行中の機体が確認できます。

飛行ルートの中間地点で、麓側のパイロットが持つコントローラーから、火山館側のパイロットが持つコントローラーへ飛行の操縦権を受け渡します。
荷物を下ろすポイントを目視で確認しながら、安全な場所へ手動で移動させて高度を下げていきます。

配送ボックスに灯油の輸送に適合したポリタンク入りの灯油(20リットル)を格納して、無事安全に運搬することができました。

また、前日の実証実験では灯油ストーブの運搬も行いました。

ストーブ、灯油と2回の輸送を行い、この日より灯油ストーブの使用が可能になりました。
既設の薪ストーブが本燃焼になるまえに効率よく部屋を温めることができ、室内温度を薪ストーブのみのときよりかなり早く上げることができるようになりました。
また、使用した配送ボックスやゴミの回収をするために火山館側で荷物を取り付け、離陸場所へ戻す飛行も行いました。

今後は異なる気象条件やより安全性の高い飛行方法も検証を重ね、火山館への定期運行を視野に入れていきます。

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