
「緑を育て、山を守る」佐久森林組合様のご依頼で、佐久市内の山の唐松の植林現場に苗木の運搬を行いました。
使用機材は運搬ドローン「DJI FlyCart30」。全部で5800本の苗木を運びました。
佐久市内の山林では、40年〜50年前に植えられた唐松の林を伐採して木材として出荷、伐採後の山に新たに苗木を植える林の更新作業があちこちで行われています。通常は、作業員さんがクローラー(運搬車)を使って植林する場所へ苗木を運ぶのですが、今回の現場はクローラーを入れて苗木を配置するだけで3日かかってしまう複雑な地形+作業道入り口の手前に川があって人が荷物をもって川を渡るのが困難という難所のため、ドローンによる運搬を検討されました。
佐久森林組合様は、スマート林業の取り組みとして管理地域の空撮データを収集しており、今回の現場のオルソ画像と荷下ろしポイントの座標をいただいたので、様々なツールを使って机上調査をし、現場にも足を運び荷下ろしポイントと周辺状況の確認をしました。
今回の現場は離着陸ポイントから荷下ろしポイントの見通しがしにくいエリアだったので、荷下ろし側にもパイロットと補助者を配置し、効率的な作業を行うために自動航行を併用しました。



苗木は40〜50cmほどに育っていて、新しい葉が芽吹いてフレッシュグリーンが目に眩しい!
この苗木が数十年後には立派な唐松に育つんですね。







離陸後、荷下ろしポイントへ飛行して苗木を下ろし、麓へ戻って着陸までの一連の作業は4分ほどで終了。5800本全てを16箇所のポイントへ運び終わるまで数十回の飛行で、シミュレーションで想定した予定時刻には作業を終了しました。
森林組合様のご協力で、離陸前の荷付の作業や設営もスムーズに行うことができました。
ポイントまでの苗木の配布が、クローラーを使った場合よりもかなり短い時間で完了したこと、形状が不安定で重量のある苗木の束を麓から背負って斜面を登ることを考えると、身体的な負担が大幅に軽減でき、作業方法としてたいへん有効であるとの評価もいただきました。
この後、森林組合の方が1本1本苗木を植えていくそうです。佐久地域の山には唐松がたくさん植えられていて、良質な唐松材を産出、地元小学校やコミュニティセンターの建物にもふんだんに使われています。
成長する唐松の林に手を入れたり、定期的に林を更新して佐久地方の山林の環境を維持しているからこそ、この地域の美しい景観が守られているのだなあと感じます。林業も担い手不足の課題がありますが、ドローンでの運搬や調査の導入を支援することで少しでも課題解決の一助になれたらと思います。
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